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大腸カメラ(大腸内視鏡)を受けたことがない人は多い?

  • 執筆者の写真: 井星陽一郎
    井星陽一郎
  • 3月7日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月15日


データでみる日本の現状

「大腸カメラが気になっているけれど、まだ受けたことがない」そのような方は、決して珍しくありません。

実際、日本の大腸がん検診は、最初から全員が大腸内視鏡を受ける仕組みではありません。


国の指針では、大腸がん検診は40歳以上を対象に、問診と便潜血検査を年1回行うことが基本で、要精密検査となった場合の第一選択は全大腸内視鏡検査とされています。

つまり、日本ではまず便潜血検査必要な方が精密検査として大腸カメラへ進むという流れが標準です。


その入口である大腸がん検診の受診率は、まだ十分高いとはいえません。厚生労働省資料では、2022年の大腸がん検診受診率は40〜69歳で男性49.1%、女性42.8%でした。半数近く、あるいはそれ以上の方が、そもそも検診を受けていない計算になります。


さらに、便潜血検査で要精密検査となっても、全員が大腸カメラまで進んでいるわけではありません。国立がん研究センターがん情報サービスでは、大腸がん検診の精密検査受診率の全国値は71.5%とされています。言い換えれば、陽性を指摘されても約3割は精密検査を受けられていません。


大腸カメラを受けたことがない人

では、実際に「大腸カメラを受けたことがない人」はどのくらいか、オリンパスの「胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書2024」では、全国の40〜60代男女14,100人を対象とした調査で、大腸内視鏡検査の経験数が示されています。その結果、


大腸カメラ未経験(0回)の割合は、40代75.4%、50代65.7%、60代53.2%、40〜60代全体でも64.8%でした。


大腸カメラが初めてという方は多数派に近く、検査機会が多いはずの60代でも半数が未経験でした。


なぜ、未経験の方が多いのか

制度上、まず便潜血検査が入口であることに加え、

  • そもそも検診を受ける機会がない

  • 便潜血陽性でも症状がないため受診が後回しになる

  • 大腸カメラに「つらい」「恥ずかしい」「前処置が大変そう」という印象がある


    といった複数の要因が重なると考えられます。


現場からのInsight

日々の診療でも、「今回が初めての大腸カメラです」という方は少なくありません。そのため、まだ受けたことがないこと自体を、必要以上に不安に思う必要はありません。

一方で、

  • 便潜血検査で陽性を指摘された方

  • 血便、便通異常、腹痛などの症状がある方

  • 大腸ポリープや大腸がんの家族歴がある方では、便の検査だけで済ませず、大腸カメラを含めた精密な評価を検討する意義があります。国の指針でも、要精密検査時の第一選択は全大腸内視鏡検査とされています。


    当院でも、「気になっていたけれど初めて受けます」という方は少なくありません。

    不安の大きい検査だからこそ、受ける前の説明と、受けやすい環境づくりが大切だと考えています。


まとめ

日本では、大腸がん検診の基本は40歳以上の便潜血検査であり、必要な方が精密検査として大腸カメラへ進みます。

そして実際には、

  • 大腸がん検診の受診率は半数前後にとどまること

  • 要精密検査となっても全員が大腸カメラを受けているわけではないこと

  • 40〜60代でも大腸カメラ未経験の方が多数派であることが、各種データから示されています。

「まだ受けたことがないから遅い」のではありません。大切なのは、必要な時に相談し、必要ならきちんと受けることです。

便潜血陽性を指摘された方、気になる症状がある方、家族歴がある方は、一度ご相談ください。大腸カメラが必要かどうかも含めて、診察のうえで丁寧にご説明いたします。


※ この記事の中の「大腸カメラ未経験」の割合は、全国40〜60代男女14,100人を対象とした調査に基づく数値であり、日本人全体の生涯経験率を直接示す全国統計ではありません。



「大腸カメラが初めてで不安」という方は少なくありません。当院では、検査の必要性だけでなく、不安の内容や前処置のことも含めて丁寧にご説明しています。鎮静剤の使用、前処置の環境、日帰りポリープ切除への対応など、当院での大腸内視鏡検査については、下記ページをご覧ください。





便潜血から精密検査へのフロー

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