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経鼻で受ける胃カメラ(鼻からの胃内視鏡)

舌根に触れにくい鼻からの細径スコープで、嘔吐感(オエッ)を抑えやすい検査方式です。検査中の会話も可能で、初めての方や嘔吐反射が強い方にも選ばれています。鎮静(静脈麻酔)にも対応

経鼻のメリット

  • 嘔吐反射が出にくい傾向:舌根に触れにくいルート。

  • 検査中のコミュニケーションが容易:口が塞がらないため、会話ができ意思疎通がしやすい。モニターをみながら検査を受けることも可能。

  • 極細径スコープ:先端 5.4mm。挿入時のみならず、検査中の違和感を抑えやすい︎。

  • ​左右どちらの鼻からでも可。

  • 鎮静との併用も可:不安が強い場合は静脈麻酔で“うとうと”。

経鼻ルート

経鼻ルート:舌根に触れにくい

​舌の付け根にスコープが触れない。

経口ルート

経口ルート:舌根に触れて嘔吐反射が出やすい

​舌の付け根にスコープが触れる。

オエっとなりやすい。

検査中会話も可能

鎮静なしの経鼻は会話が可能

​鎮静剤を使わない場合は会話も可能。

細い方が楽に決まっています.サイズ66%減.

 当院で検査に用いるOlympus GIF-1200Nは,その先端径 5.4mmの極細径スコープです.挿入部(シャフト部)も5.8mmしかなく,通常型のスコープ(9.9mm径)と比べ,断面積はなんと66%減つまり,3分の1の太さです.

経鼻内視鏡の太さ.webp

経鼻内視鏡で撮影の画像の例

経鼻内視鏡の写真1
経鼻内視鏡の写真3
経鼻内視鏡の写真2

留意点(向かない場合もあります)

  • 鼻腔が狭い、高度の鼻出血の既往のケースでは、経口に切替えることがあります。(左右の鼻腔それぞれ2ルートずつ,合計4ルートあり、複数トライすることもできます)

  • 処置や拡大観察の要否により、経口を推奨する場合があります。

  • 検査中や検査後に鼻出血が起こることがあります。鼻出血が続く場合は圧迫し、改善しないときはご連絡ください。

  • ​両方経験された上で,経口ルートを好まれる方もおられます。

  • 抗血栓薬など内服中の方は、事前にご相談ください。
    患者さんごとに、経鼻/経口/鎮静の有無を医師が最適にご提案します。

検査の流れ(経鼻)

1

問診/鼻腔の確認

  • 耳鼻咽喉科の疾患,鼻出血の既往,以前の経鼻検査の経験や疼痛/出血の有無について,お聞きします。

  • 鼻炎などの状態により,また検査可能なルートも合計4ルートあることより,以前鼻を通らない,と言われた方で当院で検査すると問題なく通る場合があります。

2

前処置(消泡剤・鼻腔麻酔,±咽頭麻酔)


  • 胃の中の泡を取りのぞき、胃の壁をきれいにするために、消泡剤を服用。

  • 鼻腔粘膜の血管を収縮させます。出血しにくくするだけでなく、鼻のとおりもよくするために、局所血管収縮剤を入れます。

  • 鼻腔に麻酔薬を注入,細くて柔らかいチューブに麻酔薬を塗り、鼻腔に挿入。これにより、痛みが抑えられ、内視鏡の通過がスムーズになります。

3

検査 (約6–10分)

内視鏡検査の内容は,経鼻でも経口でもかわりません.必要な観察を一通り行い,もし組織検査(生検)が必要な場合は実施できます.


4

結果説明

当日の画像を用いて,結果をご説明します.鎮静剤使用の場合は1時間程の安静後です.

5

会計,検査後

経鼻内視鏡の検査後に特に注意していただく事はありませんが,鼻を強く噛むと出血することがあります.のどの違和感がなければ,飲食可能です.

​費用の目安(保険診療,概算)

保険診療の場合、経鼻内視鏡についての特別な追加費用はありません。組織検査(生検)の有無や使用薬剤により変わりますが、自己負担額の概算は下記のとおりです。

  • 1割負担:1,500〜2,500円

  • 2割負担:3,000〜5,000円

  • 3割負担:4,500〜8,000円。

よくある質問

Q1.

経鼻は痛いですか?

鼻腔に麻酔をして拡張してから行うため、痛みや違和感は軽減できます。感じ方には個人差があります。検査中は会話も可能です。

Q2.

以前「鼻を通らない」と言われました。受けられますか?

左右の鼻腔それぞれにルートがあり(合計4ルート)で試せます。あるルートがダメでも,鼻腔の状態次第で他のルートで通過できる場合もあります。無理な場合は経口へ安全に切り替えます。

Q3.

経鼻と経口、どちらが自分に向いていますか?

嘔吐反射が強い方や会話しながら進めたい方は経鼻が向きます。処置や拡大観察が必要なケースでは経口を提案することがあります。診察時に最適な方法をご案内します。

Q4.

検査時間はどのくらい?

観察自体は約6〜10分が目安です。前処置と説明を含めると全体で1時間前後みてください。

Q5.

抗血栓薬(血をサラサラにする薬)を飲んでいます。受けられますか?

観察のみであれば原則可能です。生検や処置が必要な場合は薬の種類・状態で対応が変わります。自己判断で中止せず、事前にご相談ください。

Q6.

検査前に飲めるもの・飲めないものは?

水、無色透明のスポーツドリンク、薄いお茶はOK。コーヒー、牛乳、ジュース、乳製品入り飲料は不可。摂取は検査2時間前までに。

Q7.

前日・当日の準備は?

前日は21時までに消化の良い食事、21時以降は固形物を控えます。当日は原則絶食、少量の水は可。詳しくは「前日・当日の準備」をご確認ください。

Q8.

経鼻だから特別に高くなりますか?(費用)

保険診療で経鼻だからの追加費用はありません。自己負担の概算は 1割:1,500〜2,500円/2割:3,000〜5,000円/3割:4,500〜8,000円。詳細は費用ページをご覧ください。

最終監修:2025年10月12日(井星 陽一郎 医師)

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