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大腸カメラ (胃内視鏡)のQ & A | 久留米市の井星医院 

Q1.

全く症状がなくても、大腸カメラ(内視鏡)検査を受ける必要があるのはなぜですか?

大腸がんは初期にはほとんど症状が出ないことが多く、健康に感じていても進行している場合があります。そのため、症状がなくても検査を受けることが大切です。こうした目的で行う検査を「スクリーニング検査」と呼び、病気を早期に見つけることで、適切な治療や経過観察につなげることができます。大腸がんも他のがんと同じく、進行度によって治療法や回復の見通しが大きく変わるため、早めの検査が勧められています。

Q2.

大腸内視鏡検査を受けるメリットは何ですか?

大腸内視鏡検査の最大の利点は、大腸がんやその前段階であるポリープを直接観察し、必要に応じてその場で切除できることです。これにより、大腸がんの予防や早期発見につながります。さらに、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)、大腸憩室、血便・下痢・腹痛などの原因精査にも有用です。大腸がんは日本人のがん死亡原因の中でも上位を占めるため、早めの検査は将来の安心につながります。

Q3.

大腸カメラ検査は何科で行われますか?

大腸カメラは、消化器内科・消化器外科・胃腸科・内視鏡内科・肛門科などで行われます。

  • 消化器内科医や消化器外科医など、消化器疾患に精通した専門医が実施します。

  • 大規模病院では分業が進んでおり、胃腸を専門とする消化器内科医が担当することが多いです。

  • 大腸専門病院では、内視鏡検査から外科手術まで一貫して行うため、消化器外科医が担当する場合もあります。

  • 胃腸科という名称は総合病院では一般的ではありませんが、消化器科の中で胃や大腸の診療を主に行う科をわかりやすく呼んだもので、クリニック名では比較的多く使われています。

  • 内視鏡内科は比較的新しい名称で、胃カメラ・大腸カメラなどの内視鏡検査・治療に特化した診療部門を指します。

いずれの場合も、十分な専門的トレーニングを受けた医師が行うことが、受診者の利益になります。

Q4.

検査の時間はどのくらいかかりますか?

大腸カメラの検査自体はおよそ15〜20分程度です。 受診者の苦痛を最小限にしつつ、安全に配慮し、十分に観察を行うことを最優先にしています。

  • ポリープ切除を同時に行う場合は、さらに数分〜10分程度長くかかります。

  • 鎮静剤を使用した場合は、検査後に約1時間の安静が必要となります。

Q5.

大腸カメラの検査中はどう進むのですか?

検査はまず、スコープを肛門から挿入し、盲腸まで進めます。戻りながら大腸全体を丁寧に観察することで、大腸がんやポリープ、炎症や出血の有無を確認します。

内視鏡検査には基本的な手順(ルーチン)はありますが、実際には大腸の形や状態に応じて、検査医がその場で操作方法を調整し、必要な判断を下します。 これが血液検査や尿検査などと大きく異なる点であり、内視鏡はリアルタイムの診断が可能な検査です。

また、ポリープを見つけた場合には、その場で切除や処置を行うこともあります。必要に応じて組織を採取(生検)しますが、その最終結果(病理検査)は約1〜2週間後になります。

Q6.

痛みの少ない検査のために大切なことは何ですか?

痛みの有無を左右するのは薬だけでなく、挿入時の内視鏡操作の技術です。 大腸内視鏡は肛門から盲腸まで挿入し、戻りながら詳しく観察します。観察時は苦痛が少なく、問題となるのは「挿入のとき」です。大腸を直線化し無理な力をかけない操作が必要で、形や癒着は人によって異なるため、経験豊富な医師の技術が重要になります。

Q7.

鎮静剤を使う方の割合はどのくらいですか?

当院では、およそ半分の方が鎮静剤を使用しています。 鎮静剤を使うことで痛みや不快感を抑えられますが、検査後に一定の安静時間が必要となり、当日は車の運転ができないといった制約もあります。

一方で、鎮静を用いずに検査を受けられる方も少なくありません。これは、受診者の過去の経験や、大腸内視鏡が技術に大きく依存する検査であることを理解したうえで、「信頼して任せられるから鎮静なしで受けたい」というお気持ちによるものだと考えています。

Q8.

大腸カメラ(内視鏡)検査は痛いですか?

腸の形や長さは人によって異なり、痛みの出方も変わりますが、鎮静剤などを使用することで多くの方がほとんど痛みを感じずに検査を終えることができます。

Q9.

前日までの大腸検査の準備には何が必要ですか?

大きく分けて、食事の制限と下剤の服用が必要です。

検査前日は消化しやすい食事を心がけ、繊維質・油分・乳製品は避けてください。夕食は遅くとも「夜9時まで」、可能であれば「19~20時頃まで」に済まされるのが望ましいと考えています。

その後、お渡しする下剤を服用していただきます。下剤の種類や量は、普段の便通状態によって調整します。

Q10.

検査前日に食べてもよい食品は何ですか?

短答: 白米・うどん・そうめん・白パン・白身魚・卵・豆腐など、腸に残りにくい消化の良い食べ物です。

詳細: 検査前日は「低残渣食(低繊維食)」を心がけてください。

  • 炭水化物:白米、食パン、うどん、そうめん、パスタ(白いもの)、皮なしジャガイモ

  • たんぱく質:白身魚、鶏肉、卵、豆腐(脂肪分・繊維が少ないもの)

  • 果物:皮や種を取り除いたバナナ、缶詰フルーツ(桃・梨・りんごなど)

  • 乳製品:無脂肪〜低脂肪ヨーグルトやチーズ(施設により可とされる場合あり)

また、市販の**大腸検査食(Amazonやドラッグストアで購入可能)**を利用すると、献立を考える負担が減り、不安な方には有用です。

Q11.

検査前日に食べられないものは何ですか?

短答: 野菜・海藻・きのこ・こんにゃく・ゴマ・雑穀米・果肉入りのフルーツは避けてください。

詳細: 腸に残りやすいもの、色素が強いもの、繊維が多いものは避けましょう。

  • 野菜類:サラダ、根菜(ごぼう・レンコン)、ブロッコリー、ほうれん草など

  • 海藻類:わかめ、昆布、ひじき

  • きのこ類:しいたけ、えのき、しめじ

  • こんにゃく・寒天・ゴマ・雑穀米:腸に残って観察の妨げになる

  • 果物:いちご、キウイ、ブドウ、オレンジなど(皮や種、果肉の残るもの)

  • 脂っこい料理や揚げ物:消化に時間がかかるため不向き

これらを控えることで、腸をきれいに保ち、検査を安全に・正確に行うことができます。

Q12.

検査前日に、避けたほうがよい飲み物はありますか?

はい、いくつか注意が必要な飲み物があります。

  • ジュース類  オレンジ・グレープフルーツ・プルーンなど色の濃いジュースは、腸の中に色素が残り観察の妨げになります。果肉入りジュースやスムージー、野菜ジュース・青汁も繊維が残るため避けてください。透明で果肉のないアップルジュースや白ぶどうジュースなどは比較的安心です。

  • 牛乳・乳製品飲料  牛乳や飲むヨーグルトは腸に残りやすいため、検査前日は控えてください。

  • アルコール  腸の働きに影響を与え、翌日の下剤(腸管洗浄液)の効果に影響が出ることがあります。 また、飲みすぎは脱水や体調不良の原因にもなり、下剤を飲み進められなくなるリスクがあります。  そのため、検査準備としては控えることが望ましいですが、前日の早い時間に本人にとって少量であれば、大きな問題になることは少ないと考えられます。不安な方は事前にご相談ください。

Q13.

当日はどんな服装で来院したら良いですか?

短答: 検査用のガウンと専用の穿き物に着替えていただきますので、着替えやすい服装でご来院ください。

詳細: 当院では大腸カメラ検査時に、検査用のガウンと専用の穿き物に着替えていただきます。ガウンの下には肌着を着用したままで大丈夫です。

検査によっては、以下のものを外していただく必要がある場合があります:

  • アクセサリー

  • 時計

  • 金属のついた肌着

  • コルセット

  • 入れ歯

これらを必ず外していただくのは、大きなポリープ切除で高周波装置を使用する場合です。 その際は、想定されるケースについてスタッフからお声かけしますのでご安心ください。通常の観察や高周波を使わない処置では、その必要はありません。

Q14.

便秘気味ですが、準備は大丈夫でしょうか?

便秘のある方は、前々日から下剤を追加するなど、調整が必要になる場合があります。普段の排便状況を問診時にお知らせください。個別に準備方法をご案内します。

Q15.

大腸カメラの前処置は大変と聞きますが、どのような環境で行いますか?

大腸カメラの準備では、多量の腸管洗浄液(下剤)を飲み、何度もトイレに行く必要があります。井星医院では、検査を受けられる方のために専用トイレ付きの個室をご用意しています。

  • Wi-Fi・テレビ完備で、リラックスしながら前処置を行えます。

  • プライバシーに配慮し、他の受診者と顔を合わせることなく前処置や検査後の安静を過ごせます。

  • 安心できる環境で、必要な場合にはすぐにスタッフがお声かけいたします。

このように、快適かつプライバシーを守りながら安心して前処置を行える環境を整えています。

Q16.

大腸内視鏡による治療にはどんな方法がありますか?

大腸ポリープや早期がんは、内視鏡で切除できる場合があります。代表的な方法は次の3つです(詳細は こちらのページ でもご紹介しています)。

1. コールドポリペクトミー

  • 方法:内視鏡の先端から金属の輪(スネア)を出し、電気を使わずに機械的に絞めて切除します。EMRの手順を大幅に減らし、簡略化した治療です。

  • 対象:9mm以下の小さなポリープ(茎のない形)。

  • 長所:ステップが少なく、治療強度が低いため、合併症は非常にまれ。多くの施設で実施されています。

  • 短所:検体が分割しやすく、病理診断にマイナスになることがあります。治療前の内視鏡医の判断が重要です。

2. EMR(内視鏡的粘膜切除術)

  • 方法:高周波装置(電気メス)を用いて金属スネアで切除します。

  • 対象:数mm〜2〜3cm程度のポリープや、早期がんが疑われる病変。

  • 長所:根治度が高く、比較的短時間で治療可能。

  • 短所:出血や穿孔のリスクがあります。部位や形によっては難しいため、熟練した医師と設備が必要です。

3. ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

  • 方法:病変の下を内視鏡で剥離しながら切除する高度な技術です。

  • 対象:2〜3cm以上の大きなポリープや早期がん。

  • 長所:従来切除が難しかった大きな病変も切除可能で、根治度が高い。

  • 短所:治療時間が長く、出血・穿孔のリスクもあります。専門施設での入院治療が必要です。

Q17.

大腸ポリープを内視鏡で治療できますか?

小さなものは コールドポリペクトミー という治療です。大きめのものや、キノコのように茎のあるものは、高周波装置(電気を流して)を用いるEMR(内視鏡的粘膜切除術) といいます。

いずれかの治療を行いますが、当院では両方に対応しています。ただし、ある程度以上のサイズのものは入院治療が必要なため、専門施設にご紹介します。

Q18.

大腸内視鏡の重大な合併症はありますか?

短答: 大腸内視鏡検査はほとんどの場合安全に終了します。 ごくまれに穿孔などの重大な合併症がありますが、確率は非常に低く、安全対策を十分にとっています。

詳細: 大腸内視鏡は、まず殆どすべての場合で安全に終了する検査です。私自身の経験では重大な合併症はありませんが、全国的には極めてまれに以下のような合併症が報告されています。

  • 穿孔(大腸に穴があくこと)  腸の走行や内視鏡操作の状況により、ごくまれに起こる可能性があります。発生した場合は、痛み・血圧低下・腹膜炎などを最小限に抑えるために迅速な緊急処置を行い、高次医療機関への救援(入院や必要に応じた手術)を手配します。

  • 鎮静剤や薬剤による反応  ごくまれにアレルギー反応や過剰反応を起こす場合があります。そのため、当院では薬剤を少量から使用開始し、心臓や肺の働きをモニターで監視するなど、安全策を常に講じています。

Q19.

大腸ポリープ切除の合併症はありますか?

短答: 主な合併症は出血で、ごくまれに**穿孔(腸に穴があくこと)**が起こる可能性があります。ただし、いずれも頻度は低く、適切な対応で安全に管理できます。

詳細:

  • 出血  最も多い合併症です。切除後に帰宅してから血便がみられることがあり、発生頻度はおよそ1%前後とされています(切除方法により異なります)。  ごく少量の出血や血のかたまりであれば経過観察でよいことが多いですが、大量出血の際には早めの追加治療が必要です。夜間であっても、治療を受けた病院・医院に必ず連絡してください。

  • 穿孔(大腸に穴があくこと)  非常にまれですが、発生した場合は迅速に応急処置を行ったうえで、高次病院で検査や治療を継続する必要があります。

これらの合併症は、施行医の技術によって多くは回避可能です。また、万が一発生しても、経験をもとに適切なトラブルシューティングを行います。

Q20.

大腸カメラの前処置は大変と聞きますが、どのような環境で行いますか?

大腸カメラの準備では、多量の腸管洗浄液(下剤)を飲み、何度もトイレに行く必要があります。井星医院では、検査を受けられる方のために専用トイレ付きの個室をご用意しています。

  • Wi-Fi・テレビ完備で、リラックスしながら前処置を行えます。

  • プライバシーに配慮し、他の受診者と顔を合わせることなく前処置や検査後の安静を過ごせます。

  • 安心できる環境で、必要な場合にはすぐにスタッフがお声かけいたします。

このように、快適かつプライバシーを守りながら安心して前処置を行える環境を整えています。

Q21.

井星医院の大腸カメラにはどういう特徴がありますか?

当院では、経験豊富な内視鏡学会専門医・指導医が検査を担当し、鎮静剤(麻酔)を用いた苦痛の少ない大腸カメラ検査を行っています。

担当医は、これまでにハイボリュームセンター(多数の複雑な症例に対応する専門施設)で長年にわたり勤務し、

  • 大腸疾患・内視鏡検査・内視鏡治療に関する高い専門性

  • 国際学会・国内学会での発表、英文誌への論文発表

  • 内視鏡専門医の教育を担う内視鏡指導医としての活動

  • 後進医師への内視鏡技術指導(ハンズオンセミナー) などの実績を積んできました。

さらに、九州大学病院在籍中には潰瘍性大腸炎やクローン病といった難病に関する研究と診療を深め、医学博士の学位も取得しています。

これらの豊富な経験と最新の知識を活かし、安全かつ精度の高い大腸カメラ検査を行っています。安心してお任せください。

最終監修:2025年9月7日(井星 陽一郎 医師)

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