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けんしんに関する講演 〜 健診と検診,どちらが重要?

  • Yoichiro Iboshi
  • 2022年10月1日
  • 読了時間: 3分

更新日:3月8日

令和4年6月に,町のコミュニティセンターにて,「けんしんと生活習慣からみる危険予知」というタイトルで講演を行いました.


現在,自治体(久留米市)の健診として主に,


  • 特定健診

  • 後期高齢者健診(75歳以上)


が実施されています.


これらは,生活習慣病の早期発見を主な目的とし,これにより,具体的には以下のような病気を予防することをねらいとしています.


  • 心臓病(心筋梗塞など)

  • 脳血管障害(脳梗塞,脳出血など)

  • 糖尿病合併症(透析の必要な腎不全,失明など)

いずれも命に関わる重大な病気ですが,多くは「ある日突然」ではなく,長年の生活習慣の積み重ねの結果として起こります.そのため,早い段階での高血圧,脂質異常症,糖尿病,肥満,あるいはその前段階(予備群とも言われます)の発見に大きな意義があります.日本ではメタボリックシンドロームが疑われる人が1,000万人以上いると推計されており,こうした「予備軍」を早めに拾い上げることが,心筋梗塞や脳卒中の予防につながるとされています. この健診では他に,腎臓や肝臓の異常を調べます.後期高齢者検診の場合はさらに血液の異常(貧血)がないかどうかを簡易的に調べることができます.


以上の健診とは別に,がん検診,といカテゴリーの重要なけんしんがあります.これらは,


  • 肺がん検診

  • 胃がん検診

  • 大腸がん検診

  • 前立腺がん検診

  • 子宮頸がん検診

  • 乳がん検診


などがあり,特定の臓器のがんや前がん病変を,レントゲン,胃カメラ,便検査,前立腺マーカー,マンモグラフィーなど,専用の検査を用いて調べることを目的としています.いずれも日本人がかかる頻度の高いがんであり,早期発見によって治療成績が改善することが分かっているため,公的ながん検診として実施されています.


実際,「がん検診を定期的に受けている人」の方が,進行した状態でがんが見つかる割合が少ないことが報告されており,受診そのものが生存率にも影響しうると考えられています.

一方で,がん検診を受けずにこれらの病気が早期の段階で偶然見つかることは多くはなく,「症状が出てから見つかったときには,すでに進行していた」というケースが少なくありません.


さて,これらのけんしん,どちらがより重要でしょうか?実は,この質問自体がナンセンスかもしれません。生活習慣病の健診と,がん検診は,目的も役割もまったく別の検査で,どちらか一方を選ぶものではないからです。


健診と検診(がん検診)は全く別物です


生活習慣病の管理や生活習慣がバッチリでも,がんの早期発見が自動的にできるわけではありません.一方で,がん検診をきちんと受けていても,生活習慣病そのものの予防やコントロールにはなりません.まさに車の両輪のように,どちらか一方ではなく,両方をそろえて回していくことが大切です.


とはいえ,仕事や家事・育児に追われる働き世代にとって,時間やエネルギーにはどうしても限りがあります.40〜50代では,高血圧やコレステロール,血糖値,肥満などで何らかの異常を指摘される人が少なくない一方,「忙しくて精密検査に行けていない」「がん検診は後回し」というケースも多いとされています


あなたにとってどのけんしん(健診,検診)が重要かだからこそ,「今の自分の年齢と,これまでの健診や人間ドックの結果」を材料にして,


・生活習慣病のフォローを優先すべきか


・がん検診の受け漏れをなくすべきか


といった自分なりの優先順位を,かかりつけ医と一緒に整理してみることをおすすめします.限られた時間の中で,無理のないペース配分で健康管理を続けていくことが,働き続けるための土台づくりにつながります.




健診と検診
健診 (health checkup)とがん検診(cancer screening)

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